2012年08月21日

依存と向き合う

今回のご相談でもある「依存症」
実際には本当に様々な依存があります。
ギャンブル依存、アルコール依存、薬物依存、ニコチン依存、、、
恋愛依存、共依存、買い物依存、ネット依存、セックス依存、、、

挙げてゆくとキリがないくらいです。
趣味や嗜好も、程度を超えると依存的になってしまっていることもあります。
そうなると線引きも難しいところですよね。
どちらにしても、誰にでも大なり小なり何かしらの依存、またはその可能性があると言えるでしょう。

それが問題かどうかは、合法か非合法かということは当然として、その欲求を抑えきれず止められなくなり、それを優先するがために、社会的であったり、身体や一般生活に、弊害や障害が生じるかどうか、ということろで考えるしかないかも知れませんね。

では今回のご相談です。


【お名前】 さくら
【年齢】 45〜49
【独身/既婚】 既婚
【恋愛経験】 不倫経験 なし

星野先生、はじめまして。
恋愛相談が多い中、私の様な質問を聞いていただくのは気がひけますが、どんな本を読んでもピンとくる解答が得られないので先生におすがりすることにしました。


私は結婚して10年、子供はいません。
アメリカに住んでいて、主人は白人の医者です。
ハンサムで真面目で勤勉で温厚で忍耐強く誠実でとても優しく、今でも私が大好きで、もちろん浮気など一切なく、家が大好きな人なので仕事が終わったら直帰です。
私は今でも蝶よ、花よと大切にされています。


私の悩みは、暴力などで悩んでる奥さんたちからは、あんた何言ってんの?そんな文句ばっかり言うなら私にゆずって!とウザがられる程のチッポケな悩みに違いないと思います。
仕事のストレスもあるのでしょうか、5年ほど前から主人が深酒するようになったのです。


本人もこれではいけないと悟ったのか、今はウィスキーは飲まない様になり、平日は小さい缶ビール2本です。
しかし、金、土の夜はそれぞれ、ビールなら5・6リットルづつ、ワイン2本づつ。
日曜は月曜の仕事のことを考えて、それでもお昼から3・4リットルは飲んでいるでしょう。
金、土はとにかく酔いつぶれるまで飲んでいます。


ここ2年ほどはこれ位の酒量になり、朝までソファで眠ることもなくなりました。
仕事を休むなども一度もありません。
それでも、お酒のことでいつもケンカになります。
体の事を考えないで飲んでいる夫に腹が立つのです。
私も心配でなければ何も言いません。


夫は、もっと大量に飲んでいた以前と全く変わりなく私が怒るのが理解出来ないのです。
ウイスキーも止めたし、ビールなんて水みたいなものだし、なぜお酒を控えた努力を認めてくれないんだ、と。
週末のたんびにこの繰り返しです。


外に行って飲む事はしません。
家で機嫌よく飲んでいるだけです。
飲みすぎるとおセンチになって悲しかった昔の自分の事や人の話まで引っだしては泣いたりしています。


家事をする私にはいつも感謝して、一日に何度もありがとうを言ってくれます。
いつも私が十分なお金があるのか心配してくれます。
アメリカはカード一括払いが普通で、買い物はカードで済むのに、アナログな夫は何かあったときに現金は大切だと、いつも私のお財布は紙幣で膨らんでいます。


専業主婦でのんびりお金の心配もせず、世間では何年も前から不況の風が吹いているというのに、そんな風どこに吹いてるの?っていう暮らしをさせてもらって、日本に年一回里帰りさせてもらって、私の両親を大切にしてくれて、夫婦二人でよく旅行にも行ったりと、お酒のこと以外、何の不満のない夫に、私はどうしたらいいのでしょうか。


私のの母やきょうだいには、
「週末くらい飲ませてあげなさいよ」
「あたなは感謝が足りない」
「あんなにいい人はめったにいない」
「あなたにはもったいない」といつも言われるのですが、私はお酒に飲まれる夫がただただ情けないのです。


親友には
「ご主人を甘くみてない?どんな仕打ちしようが絶対に怒らない、絶対にさくらを嫌いにならないって思ってるんじゃないの?」
「私が夫なら毎日不機嫌な妻がいる家には帰りたくなくなるよ。家が憩いの場じゃなくなるんだから」
「ご主人みたいな人に限って、いったんもうダメだと思ったらスパッと切り替えが早いんだから」
「日本人と結婚してたら、もうとっくに離婚されてるよ!」と、さすが私の親友、有難く叱ってくれました。


私も反省して、お酒飲んでても、もう口出ししないようにしました。
しかし、ハッピーそうな私に嬉しくなって、またまた飲むのです。
どっちにしても飲むのです。
週末が来るたび憂鬱になります。
だからと言ってこんな弱い夫を見捨てて離婚するわけにもいきません。
私はどういう態度を取ればいいのでしょう?


お酒を飲むのには反対ではありません。私も飲みます。
飲みすぎて自分でも何を飲んでるのかわからない程には飲むなという事なのです。


お酒の事でケンカといっても、温厚な夫ですから、私が一方的にガミガミ言って、腹が立つやら情けないやらで口もきかずムシするという、そういうケンカです。
話しかけられてもムシ。
主人はいつも機嫌が良く、私のムシにも耐えて食事中なども今日あった出来事とか色々話してきます。
私ムシ。


どんな険悪なホームドラマでもこんな食卓シーンは見た事がないです。
こういう女を本当にビッチと言うんだろうなあと思いつつも、夫の存在を感じたくない程「なんでそんなに飲むの?」と心の中、希望のない黒い想いがいつもグルグルしているのです。


私が怒って無視して放っておけばおくほど飲みます。
酔っ払いを見るのも嫌なので、私は自分の部屋に行き一人にしても、潰れるまで飲んでます。
もう、夕食時も含めて散々飲んでるんだから、あとは寝るまでは飲まないというのが、普通ではないでしょうか。
一緒に居ればそれほど飲まないかと思って一緒にテレビも見て過ごした事もありますが、そうすれば私が一緒にいてくれると、嬉しくなって余計飲みます。


独身の時、私はいつも願うって言うか、信じていました。
平凡でもいいから私だけを愛してくれる人と結婚するって。
その願いは叶い、夫が心から私を愛してくれているのは言葉からも行動からもよくわかります。
飲む前はそんなに飲むつもりはないのも私にはわかります。
そこは私だってちゃんと評価しています。
でも、ある時点でもうコントロール出来ないんですよね。


小さい頃から父や父の酒飲み友達を見ている私にはよくわかります。
本人が心からお酒を止めたいと思わない限り禁酒は出来ない。
本人も飲みすぎたくないけど、お酒は絶対に止めたくはないのです。
父がそういう人でした。
父に比べれば100倍マシなのですが、無学な父に比べ、飲み過ぎがどんなに体に悪影響を与えるか知らないはずはないのに、なぜ飲まれるまで飲むのでしょうか。


私は専業主婦ですから、日々の食事もとても考えて作っています。
お肉、魚と交互に、野菜も色々な種類をたくさん調理します。
出来合いものなど買いません。
二人の健康のために、せっせと頑張っていますが、そんなことぶち壊すようなお酒の飲み方。
高血圧、高コレステロールの薬を飲んでいます。
どんなに食事に気をつけてもこの通りですから、私も悲しくなります。


性生活は昔と変わらずあります。
でも、お酒くさいからと拒否したことも100回くらいはあるような気がします。
この先、夫が病気になるまでこの生活が続くと思います。
病気になって初めて彼も後悔するのでしょう。
そうならないために、私が口を酸っぱくして「please don't drink too much!!」と言い続けては、全然それを聞かない夫に腹を立てる週末が延々続くのでしょう。


私は自分がどれ程恵まれた結婚生活をしているかは、重々承知しています。
でも、もう50にもなるというのに、相変わらずお酒の事で妻にガミガミ言われてる男って情けなくないですか?
人間的にも素晴らしく、社会的地位も高い夫、95%いいところばかりで5%のそのお酒の事で夫を尊敬出来ずにいるのです。
正直、夫が好きだという気持ちさえ、遠くに行ってしまいました。
それでも、夫としては愛しています。家族ですもの。
だから今でも私の事が好きでたまらない夫が羨ましいです。なんで?です。


たかがお酒くらいって思いたいのですが。
お酒でダメになった父、父の友達たちを知っているだけに、私はこんなになってしまったのでしょう。
夫が許せないのは私が傲慢なだけなのでしょうか?
妻だからという理由だけで、夫の嗜好に口出しする権利はあるのでしょうか?
それが健康を心配する理由だとしても。


一生懸命仕事して、週末お酒を飲んでリラックスするのを楽しみにしている人なので、程度というものを知っていれば、私もこんなに悩むこともないのですが、、、。
私はきっと誰かに叱って欲しいのかも知れません。
主人のマイナスの部分にばかり、心が大きく向いてしまう私ですが、どんな心構えで主人と暮らして行けばいいのか、アドバイス頂けたら幸いです。
星野先生、よろしくご指導ください。
ありがとうございます。



[星野 純(はじめ)のアドバイス]

確かにさくらさんが言うように、聞く人が聞けば贅沢なお悩みかも知れませんね。
ただ、アルコール依存は簡単には完治せず、例え10年間禁酒できたとしても、ちょっとしたタイミングで再び依存してしまうようになる、「不治の疾患」と言われます。
アルコール依存症は本人のみならず、その家族もそれに一生付き合ってゆく覚悟が必要です。
そう思うと、さくらさんのお悩みは"贅沢な悩み"とも言い切れません。


そこでさくらさんに質問です。
アルコール依存と一生付き合ってゆく覚悟はありますか?


ちなみに「お酒さえ減らしてくれれば…」という答えは"無し"です。
それは不治の疾患だからです。
少しは量が減るかも知れない。
一時的にでも禁酒できるかも知れない。
でも必ず再発します。
その上での覚悟がありますか?という意味です。


もしその覚悟が無いのなら、質問の答えの先は"離婚"です。
他人が簡単に言っているようでしょうが、ハッキリ言ってしまうとそういうことです。
お酒に飲まれるご主人がイヤだ、イヤだ、イヤだ、なら、「じゃぁ別れたら良いのに」になります。


離婚するつもりが無いなら、アルコール依存と一生付き合ってゆく覚悟が必要なのですよ。
その覚悟があるのなら、ここで一つです。
「お酒さえ減らしてくれれば良い夫なのに」
この考え方、この気持ちです。


確かにそれが事実かも知れませんが、その考え方、その気持ちは、ご主人にとっては全くの逆効果です。


アルコール依存者に多いのは、自分で依存症だと自覚しようとしないケースです。
例えばご主人の場合、考えることはこうじゃないでしょうか。
「俺は週末は飲んでも平日は抑えられる。本当の依存症なら抑えられないはずだ。」
「以前より酒の量を減らすことが出来た。だから止めようと思ったら止められる。依存症みたく止められないわけではなく、自分の意思で止めないだけだ。」
「仕事を休むわけでもなくコントロール出来ているんだから止める必要が無い。コントロール出来てる時点で依存症ではない。」
「高血圧も高コレステロールも、薬で抑えられるなら大丈夫。そもそもお酒を飲まない人だって高血圧や高コレステロールの人はたくさん居る。」
…こんな感じです。


それを、さくらさんの表現を借りますが、
「95%は良い所。でも残り5%のおかげですべては帳消し。」みたいになると、ご主人からすると、
「おいおい、5%は認めるけど、それで全部無しかよ!」となります。


ご主人の気持ちを少し言い換えてみますね。
「問題に95問正解して、不正解が5問なら"95点"だろ。」
「不正解が5問あるからと言って"0点"にはならないだろ。」
それに続くのは「俺は"0点"の人間なのか?」です。
すべてを否定されたのごとく感じ、そして
「そんなにその5問の点数が高いのか?」と考えます。


そうなると前述のように、
「俺は週末は飲んでも平日は抑えられる。本当の依存症なら抑えられないはずだ。」となって、
「不正解の5問はあくまでも減点5点分でしかない。俺は95点だ。」
と主張したくなるのですよ。


実際には言葉にしてご主人も言わないでしょうが、それはご主人の性格上言わないだけなのではないでしょうか。
ちょっと回りくどかったかも知れませんね。
「お酒さえ減らしてくれれば良い夫なのに」は、結果的には「良い夫ではない」と言っていることになります。
それよりも「良い夫だけど、お酒が減ればもっと良い夫なのに」の方が良いですよ、ということです。


それはご主人に対してもそうですが、さくらさん自身の気持ちとしてもです。
その気持ちがあって初めて、さくらさんもアルコール依存に前向きに向き合ってゆけるのではないでしょうか。


父親やその友達の姿が、ダブってしまうのも分かります。
よほど嫌な姿としてインプットされてしまったのでしょうね。
でもやはり、お酒を止められないからって良い所がすべて帳消しになるかのごとくの考え方は、損は有っても得は無いと思いますよ。


何か、さくらさんを責めるような内容で申し訳なく思います。
さくらさんの言うとおり、お酒の量は本人が減らそうと思わなければ減りません。
結果的には本人の意思です。
でも少なくとも、ガミガミ言っても無視をしてもほとんど効果は無く、まずは、当人の思考回路や気持ちを理解しようとすることだとお伝えしたかったのです。


長くなってきましたが、最後に「ではその上でどうしたら良いか」です。
話しの続きとしては、ご主人の良いところが95%、悪いところが5%なら、95%は95%のまま評価し、それをそのままご主人に言ってあげましょうよ。
それでご主人が上機嫌になって飲み過ぎるのを心配するより、同じ飲み過ぎるなら、無視して雰囲気が悪い中で飲み過ぎるよりマシ、という考えです。
これもご主人のためだけではなく、さくらさん側のためでもあります。
ご主人が離婚を考えてしまえば本意ではないでしょうし、いつも機嫌が悪いのはご自身でもイヤでしょうからね。


あと、具体的なこととして二つ挙げてみます。
まず一つは、いつも深酒してしまう金曜の夜や土曜の夜に出掛けることです。
飲んでしまうとスイッチが入ってしまうご主人とはいえ、常識的な感覚まで欠落しているわけではないのは、さくらさんもご存知の通りでしょう。
食事をしながらとか、友人知人と外で飲んでる分には、自ずとセーブしようとするでしょうし、もし危なくなってきたら"帰る"という行為で一区切りは付けられるはずです。
そこでのポイントは量を少なめに抑え過ぎないことです。
飲み足りない分、帰ってから飲んでしまうからです。
帰って気持ちよくそのまま寝られる程度で、というのがベストでしょうね。


それともう一つです。
土曜と日曜の朝、または午前中から何かしらの予定を入れることです。
買い物、趣味、習い事、ジョギング、、、
とにかく、金曜と土曜の夜は程々の量に抑えるなり、早めに寝るなりの状況を半ば強制的に作ってしまうのです。


そもそもは、"基本、家に居る"という状況は、酒飲みにとっては「さぁ気兼ねなく飲んでください」と言われているようなものです。
それを
「家に居るからって飲む理由にはならないでしょ。」ではなく、
「私はこんなに心配しているのに」「体のことを心配しているのに」と、さくらさん自身の怒りを正当化しようとするかのようでもなく、ここはそれこそ当人の思考回路や気持ちを理解する、というところでしょうか。


どうですか?
さくらさんにとっては、納得できないところも多かったでしょうね。
でも、輪をかけて厳しい言い方をさせていただくなら、
「離婚しないと決めたなら諦めるところは諦める。自分で選んだご主人なんだから」
「それがイヤなら離婚する」
この二択で割り切らないと、本当にご主人側が離婚を考えてしまいますよ。


95%の幸せを本当に95%幸せと捉え、残り5%を少しでも積み上げることを更なる幸せとして、前向きに考えて欲しいと思います。
依存症者には家族の協力が不可欠で、そのご家族は当人より大変だと思います。
それを"すべては本人のため"と考えるより、"自分のためでもある"と考えることも必要かも知れませんよ。
さくらさんへの厳しい言葉は、そんな思いもあってのことだとご理解いただけると幸いです。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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posted by 星野 純(はじめ) at 17:01| Comment(1) | TrackBack(0) | 欲求 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
星野先生、お返事ありがとうございます。ちょうど、日本へ里帰り中にお返事頂いていたのでお礼が大変遅くなり、失礼しました。

厳しい意見だなんてとんでもありません。「お酒さえ止めればいい夫なのに、その気持ち、その考え方が良くない」に目からウロコでした。その気持ちが、堂々回りさせて、私を苦しめていたとは、全く考えたことがありませんでした。

今年も日本に一緒に行って、両親を温泉旅行に連れてってくれて、疲れてないか、暑くないか、寒くないか、お腹はいっぱいになったか、細かいことまで両親を気づかってくれて、私も私の家族もいつも全力で愛してくれている夫に私は感謝が足りなかったと反省しました。

星野先生のアドバイス、感謝しています。どうせ飲みすぎるのだから機嫌良く飲ませて、これからの残りの人生、二人で仲良く穏やかに暮らせるよう、心を入れ替えました。



Posted by さくら at 2012年09月17日 18:37
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